テナント料の相場はいくら?契約にかかる費用についても解説
オフィスや店舗を運営する際に欠かせないのが、テナントを借りることです。
しかし、テナントを借りる際には、テナント料以外にもさまざまな費用がかかってくることがあります。
この記事では、テナント料の相場から、テナントの契約にかかる費用、そして内装工事費を抑える方法について詳しく解説します。
テナントを借りる際には、これらのポイントを押さえて、無理のない契約を結ぶようにしましょう。
目次
テナント料の相場
相場については、テナントの場所や広さ、設備の充実度などによって異なります。しかし、ある程度のテナント料の相場を把握しておくことは重要です。
あくまで目安としての数字ですが、1坪あたりの主要都心部におけるテナント料の相場は下記のとおりです。
- 東京の中心部で30,000〜50,000円
- 大阪の中心部で20,000〜25,000円
- 福岡の中心部で15,000〜20,000円
テナント料は、基本的には坪単価によって算出されます。ただし、共益費や管理費が含まれる場合もありますので、契約時には必ず確認するようにしましょう。
テナントにおける坪単価とは?
テナント料を算出する際に重要な指標となるのが坪単価であり、1坪あたりの賃料のことを指します。1坪とは2畳分の広さと覚えておきましょう。
坪単価は、テナントスペースの広さ(坪数)によって決定され、1坪あたりの費用が決まります。
共益費が含まれる場合、どのように計算されるのかも確認しておきましょう。
共益費込みの場合
では、共益費が含まれる場合、坪単価はどのように算出されるのでしょうか。
そもそも、共益費がなにかというと、テナントの入るビルや施設の共有施設部分を管理し、維持するために発生する費用のことです。
つまり、共益費はテナントに入居すれば必ず発生する費用であると認識しておきましょう。もし契約時に、共益費の明記がなされていない場合は、事前に坪単価に含まれているかどうかを確認するようにしてください。
共益費を含めた総床面積に対して、坪単価を掛けた金額がテナント料となります。
ただし、共益費には、エアコンや電気代、清掃費など、さまざまな項目が含まれることもあるため明確な確認が必要です。
テナントの契約にかかる費用
テナントを借りる際には、テナント料以外にもさまざまな費用がかかってきます。
具体的には、保証金、礼金、仲介手数料、共益費や管理費、前家賃、保険料の6つです。
月額の賃料だけで予算内かどうかを判断するのではなく、諸々の費用で総額いくらになるのか試算しましょう。
費用①保証金
契約締結時に支払う敷金や保証金は、通常、数ヶ月分のテナント料に相当します。保証金は、テナントが退去する際の修繕費や、家賃滞納時の補填として使用されます。
賃料を滞納することもなく退去することになった場合、償却が規定された物件であれば、全額返還されるわけではないので、注意しましょう。
契約時に保証金の扱いがどうなるのか、しっかり確認するようにしてください。
関連記事:テナントにおける火災保険の相場とは?店舗形態と併せて解説
費用②礼金
契約締結時に支払う礼金は、テナント料の数ヶ月分以上の金額がかかることが一般的です。
礼金の相場は賃料の1〜2ヶ月分ですが、当然ながら物件の人気度や立地条件によって賃料に差が生まれるため、総額はピンキリです。
また、退去に際して、返還されないお金です。最近では「礼金なし」をうたうテナント募集もありますので、よく調べてみるようにしましょう。
費用③仲介手数料
テナントを契約するに際して不動産仲介業者を利用した場合、仲介手数料が必要となります。
仲介手数料は、テナント料の1ヶ月分以内と規定されています。礼金同様に、退去しても返還されません。
費用④共益費や管理費
共益費や管理費は、ビルの共用部分の管理・維持費用です。テナント料に含まれる場合もありますが、含まれない場合もあるので、確認しておきましょう。
費用⑤前家賃
契約締結時に、当月分と次月分の家賃を前払いすることを前家賃といいます。入居月に関しては、日割りで計算されることが一般的です。
ただし、退去時は日割り計算されないことが多いため、注意しておきましょう。
費用⑥保険料
テナントを契約すると、ほぼ例外なく火災保険や地震保険などの保険料が必要となります。
この保険料は、テナント料に含まれる場合もありますが、含まれない場合もあるので、確認しておきましょう。
また、個人で任意の保険に入ることも可能な場合もあり、お得になるケースもあります。個別での契約が可能かどうか、確認してみてください。
関連記事:テナントにおける火災保険の相場とは?店舗形態と併せて解説
テナントの内装工事費を抑えるには
テナントを借りる際には、内装工事費がかかってくることが多々あります。コストを抑えるための方法として、3つご紹介します。
方法①居抜き物件を探す
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装が残っている物件のことです。内装工事費を抑えるためには、居抜き物件を探すといいでしょう。
残っている内装をそのまま使えるため、新たに設備を買い揃える必要がなく、大幅にコストを下げられます。
方法②内装工事費が安い業者を探す
内装工事費が安い業者を探すことも、費用を抑えるための方法です。ただし、業者選びは慎重に行うようにしましょう。
はじめからひとつの業者に絞るのではなく、複数業者に見積もりを依頼し、比較することがおすすめです。
方法③簡易な工事は自分で行う
テナント内の工事が簡易な作業で済む場合、自分で行うこともひとつの方法です。
ただし、電気工事や配管工事などは専門家に依頼する必要があることや、万が一傷や破損が起こった場合、さらにコストがかかってしまうことがあるので注意しましょう。
テナント契約にはさまざまな費用がかかる
いかがでしたでしょうか。
今回は、テナント料の相場やテナントの契約にかかる費用、そして内装工事費を抑える方法について解説しました。
テナントを借りる際には、これらのポイントを押さえて、無理のない契約を結ぶことが大切です。
また、不動産業者や建築業者などの専門家に相談することも、より安心して契約を進めるためには重要です。