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公開日 2023.08.22 更新日 2024.01.17

テナントの火災保険とは?補償の範囲や安く抑える方法などについて紹介

テナントや貸店舗に入居する際、火災保険に加入することは必須条件です。
しかし火災保険が必要なことは理解していても、補償範囲や特約などの確認を怠ってしまうと、いざという時に補償が足りず後悔することになりかねません。また不要な補償を付けてしまい、保険料が高額になってしまうことも懸念されます。

 

そこで本記事では、テナントの火災保険の概要や相場、補償の範囲や必要な特約などについて詳しく説明します。

テナントに火災保険の加入は必要?

テナントでは、一般住宅とは異なりあまり火を扱いません。そのため、火災保険は本当に必要なのだろうかと疑問に思う方もいるでしょう。

 

結論からいうと、テナントであっても火災保険の加入は必要です。なぜなら火災保険は火災だけでなく、落雷や水漏れなどによる被害も補償の対象となるためです。それでは、火災保険について詳しく解説していきましょう。

テナントの火災保険の相場

テナントや貸店舗の火災保険は、事業内容や延べ床面積、補償内容によって保険料は異なりますが、小規模の店舗で年間1〜2万円が相場です。またテナントの火災保険は、借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険、家財保険で構成されています。

 

関連記事:テナントにおける火災保険の相場とは?店舗形態と併せて解説

テナントで火災保険に加入していないと起こること

火災保険は火災により発生した損害に対して補償する保険です。
火災における損害は状況によりさまざまですが自社が火元であった場合、テナントの修復代や他のテナントへの損害補償が発生します。仮に、オフィスビル全体を焼失されてしまった場合、数千万、もしくは規模により億単位の出費となります。

 

また、他のテナントが火元となり巻き揉まれた場合でも火災保険の補償が適用されます。火元のテナントに過失があった場合は、火元側で損害補償をしてもらえますが、失火責任法が適用され火元側に過失がないと認められると、自身でカバーしなくてはいけません。

火災保険の補償範囲

ほとんどの保険会社の火災保険で補償されているのは「火災」「爆破」「破裂」「落雷」「水漏れ」です。それぞれの補償範囲について確認しましょう。

火災/爆破/破裂

賃借人の失火や、第三者の放火による火災や爆発した際、火災保険では破損した建物や什器、そして原状回復するための費用が補償されます。火災以外でも、カス漏れによるガス爆発も補償対象内です。

落雷

落雷があり火災が発生した場合や建物や什器が破損した場合、原状回復するための費用が補償されます。例えば、落雷でテナントの屋根が破損した場合は、屋根の修理費用が補償の対象です。また、玄関前や契約している駐車場に落雷し、建物が燃えた場合も修理費用が支払われます。

水漏れ

建物内の給排水設備の故障や水漏れが原因で建物や什器などに損害があった場合、原状回復するための費用が補償されます。なお、別のテナントが発生させた水漏れや、共同部分にある水回りの設備による被害も補償の対象です。

補償対象外の災害

火災保険は、火災や爆発、落雷、破裂、機械的損傷などによる被害を補償する保険です。しかし地震によって引き起こされた火災や損害は、基本的に火災保険の対象外となっています。

 

地震にも備えたい場合は別に地震保険に加入してください。ちなみに地震保険は、地震によって引き起こされる建物の倒壊や損壊、家財の損害などを補償する保険です。

 

関連記事:テナント保険とは?補償内容や火災保険との違い、選び方のポイントを解説

テナントの火災保険で加入したい特約

次に、テナントの火災保険で加入したい3つの特約について確認しましょう。

借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険は賃貸オフィスを借りる際、火災保険に含まれる特約のひとつとして加入することが一般的です。

 

借家人賠償責任保険は、火災や破壊、爆発事故などで物件に損害が発生し、借り手が法律上の賠償責任を負う場合、所有者であるオーナーに対して支払われる賠償額を補償する保険です。 そのような場合、借家人賠償責任保険に加入することで、賠償限度額分までの補償を受けることができます。

 

賃貸オフィスの場合、建物の修繕費用が高額になる可能性が高くなりますが、この保険に加入することでトラブルが発生した場合にリスクを軽減することが可能です。 借家人賠償責任保険に加入していると、賠償額に対して賠償限度額まで補償を受けることが可能となるわけです。

個人賠償責任保険

火災保険には、個人賠償責任保険という特約が含まれることがあります。この保険は、ビル内に入居しているテナントに対して損害賠償金を補償する保険です。

 

特に、複数のテナントが入居しているビルで火災が発生した場合は、テナントごとに加入している火災保険の補償が受けられますが、火元に責任があるため、契約している保険会社から更に損害賠償責任の請求が来るケースもあります。

 

そのような場合、個人賠償責任保険があれば損害賠償金の補償を出すことが可能となるのです。また個人賠償責任保険は火災事故だけでなく、ガス爆発や水漏れ損害などによる損害賠償責任にも補償されます。

家財保険

前述した「借家人賠償責任保険」や「個人賠償責任保険」は、どちらも相手に対して補償する保険ですが、「家財保険」は、自分に対する補償です。
家財保険の補償の対象は、火災や爆発、水漏れや落雷、盗難などが該当します。なかには、使用できなくなった家財の処分費用まで補償してくれるものもあります。

 

事務所の場合では、パソコンやコピー機など高額な精密機械が多く、被害に遭ってしまった場合の損害額は図りえないでしょう。
火災保険には、通常借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険に加えて家財保険が含まれています。しかし、費用削減のために特約を減らして保険料を安くすることを検討してしまいがちですが、何かあった場合のためにも家財保険を持っている方が安心です。

 

ちなみに、リースやレンタル品は補償の対象とはならないため注意をしてください。

テナントの火災保険を安く抑えたい場合

火災保険の保険料は、建物の種別や業種、補償範囲や設定した保険金額により算定されます。火災保険料を安く抑えるには、テナントの火災保険料がどのように算定されるのか理解する必要があります。

建物の構造

火災保険の保険料算定の基礎になるのが「構造級別」です。構造級別は1級〜3級までの三段階となります。1級は頑丈な建材で建築されており、耐久性にも優れているため保険料は安くなります。一方で3級の木造建築は、火災になると燃えやすく倒壊しやすい建物なので保険料は割高となります。

  • 1級:鉄筋コンクリート造、レンガ造、コンクリートブロック造、石造などの物件
  • 2級:鉄骨の柱造りで準耐火建築物、もしくは省令準耐火建築物
  • 3級:1級や2級に該当しない木造物件など

補償範囲

火災保険では、補償範囲を契約時に決めることができます。
例えば「火災や水漏れ時のみ」と限定することで保険料は抑えられます。しかし、すべての事故をカバーする場合には保険料が高くなります。したがって、自分の店舗や事務所にあった補償範囲を決める場合、リスクや支払える保険料をあわせて考慮する必要があります。

業種

飲食店や宿泊施設などでは火を使うことが多く、火災が起こるリスクがあるため火災保険の保険料が高くなります。例えば事務所や美容室、アパレルショップなどは火災が起こりにくいため、保険料が安くなるという仕組みです。

保険金額の設定

火災保険の保険料は、保険金額に比例して設定されます。
そのため、保険金額を高く設定すると保険料も高くなります。一方で、保険金額を下げすぎると保険料は削減できますが、
保険金が不足してしまい事故に対する補償が不十分になる場合があるため注意が必要です。
保険料と保険金額のバランスを考慮し、事故があった時に十分な補償を受けられる保険金額を設定することが重要となります。

特約の付保

店舗や事務所に適した火災保険には、業務に必要な特約を付保することが可能です。特約に加入することで、万が一の事故に備えてリスクを軽減できますが、保険料は高額になる傾向があります。

 

ただし特約を選択する場合は、保険料とリスク軽減のバランスを考慮する必要があり、保険料を支払うよりも自己保険として内部留保を設けたほうが経済的な場合もあります。

保険会社

かつて日本の保険会社は、同じ商品を同じ保険料で提供していました。しかし現在では、保険会社によって補償内容や保険料が異なります。

 

一般的に、日本全国に支店を持つ保険会社の火災保険は保険料が高めですが、インターネットから申し込む保険会社は経費が少ないため、保険料が低くなる傾向があります。

テナントの火災保険は補償内容を必ず確認しましょう

今回は、テナントの火災保険の概要や相場、補償の範囲や必要な特約などについて説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
賃貸借契約をする場合、火災保険に加入する場合は保険内容や特約についてしっかりと確認し、不明な点は必ず質問をしましょう。万が一のトラブルからテナントを守るため、あなたに合った火災保険を選んでください。

 

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