テナントの探し方について解説
「テナントの探し方がわからない」
「どうやって探したら優良なテナントを見つけられるの?」
「内見から契約までの流れが知りたい」
新店舗をオープンするとき、立地はとても大事ですよね。人通りの多い場所に出店するだけで宣伝効果にもなり、集客が期待できるでしょう。
ここからは、テナントの探し方や契約までの流れを紹介します。テナント探しに苦戦している経営者はぜひ参考にしてください。
目次
優良なテナント物件はなぜ見つからない
新店舗にぴったりなテナント物件を探すのは簡単ではありません。しかし、新店舗は続々と出店しています。
にも関わらず、なぜ優良なテナント物件は見つかりにくいのでしょう。
- 良い物件はネットに出回らない?
- 両手仲介ねらう管理会社
考えられる理由を2つに分けて紹介します。
良い物件はネットに出回らない?
良い物件はネットに情報が載る前に契約されてしまいます。テナントの契約が切れるとき、3〜6ヶ月前までに管理会社に契約終了の連絡がきます。
テナントが空いている状態が続くと、管理会社にとって不利益になってしまうため、管理会社は自身の顧客や知り合いに紹介してしまうのです。
そのため、良い物件ほどネットに出回る前に契約が決まってしまいます。
両手仲介ねらう管理会社
両手仲介とは、管理会社がテナントビルのオーナーと借主の両方から仲介料をもらうことです。
通常、借主はテナントを借りたいとき不動産会社に相談し、テナントを紹介してもらいます。その結果、借主は不動産会社に仲介料を支払うでしょう。
しかし、管理会社が借主にテナントを紹介すれば仲介料は管理会社に入ります。これを両手仲介と言い、管理会社はテナントビルオーナーと借主から仲介料をもらうことができるのです。
このように、仲介料を少しでも稼ごうと思っている管理会社によって優良なテナントの情報が公開されずにいます。
空きテナントをみつけるポイント
つぎに、空きテナントを見つけるためのポイントを6つ紹介します。それぞれ見ていきましょう。
ポイント①インターネットの物件探しは限界あり
インターネットで空きテナントを探すには限界があります。なぜなら、テナントが空いたとき管理会社は自身の顧客や知り合いに連絡してしまう可能性が高いからです。
そうすると、インターネットに情報が載る前に契約が決まってしまいます。
そのため、素早く空きテナントを見つけたいのであれば、不動産会社や管理会社に連絡して未公開物件を紹介してもらいましょう。
ポイント②大手が競合しない物件を探す
大手と競合しないような立地や広さのテナントを探しましょう。
大手は立地、広さ共に最良の場所を選びます。立地がいいと出店しただけで宣伝になり、集客数が変わるからです。
しかし、個人店舗を出店するのであれば、大手が選びそうなところばかり狙っていてもテナント争いに負けてしまいます。
そのため、駅から離れていたり駐車スペースが無かったり少し狭めのテナントを探しましょう。
ポイント③テナント物件に強い不動産業者を当たる
不動産業者のなかでもテナント物件に強い業者を当たりましょう。
不動産業者のなかでも得意な物件と不得意な物件があります。
テナント紹介が得意な業者を選ぶことで、いち早く情報をつかめるでしょう。
また、テナントは地元の不動産業者が管理している傾向が強いため、大手よりも地元密着型の不動産業者がおすすめです。
ポイント④複数の不動産仲介業者から情報をとる
不動産仲介業者は1社に絞らず複数の業者から情報を集めましょう。業者によって持っているつながりが違います。
そのため、複数の業者から話を聞いたほうが、より多くの情報が集まるでしょう。
しかし、情報を集めようと思うと、多くの労力を費やしてしまいます。
情報を集めるときは事前に自身の希望をまとめておくことで、業者とのやり取りを最小限に抑えて効率よく情報を集められます。
ポイント⑤信頼できる不動産営業マンをみつける
信頼できる不動産営業マンを見つけましょう。不動産の知識もない素人が、1人でテナントを見つけようとしても限界があります。
インターネットに情報が載る前のテナントを紹介してくれたり、どのエリアがいいか相談しながら探してくれたり、二人三脚で行動してくれる営業マンがいると安心ですよね。
さらに、自身でテナントをみつけたとき、優良物件か劣悪物件か見分けがつきません。
そのため、相談に乗ってくれたり出店する店舗に合ったテナントを探してくれたりするような信頼できる営業マンを探しましょう。
ポイント⑥とにかく足を使って探す
空きテナントを見つけるには、とにかく足を使いましょう。具体的な方法は、出店したいエリア内をとにかく歩き回ることです。
意外とインターネットに情報が載っていない空きテナントは多く、タイミングが良ければ最適なテナントを見つけられます。
合わせて、ほかにどんな店舗が多いかターゲットとなる顧客は多いか、なども確認しましょう。
そのため、散歩がてら何回か足を運ぶと良いテナントに出会えるかもしれません。
内見から契約まで
最後に、内見から契約までの流れを紹介します。
- 立地・経済条件の確認
- 引き渡し状態や内装の確認
- 入居申し込み
- 家主審査
- 賃貸借契約
- 物件引き渡し
基本的に住居を借りるときと同じ流れですが、具体的に説明します。
立地・経済条件の確認
テナントを見つけたら、立地や準備している資金で借りれるのか、家賃は払い続けられるのか確認しましょう。借りれる資金はないけどここが良いですと言っても相手にしてもらえません。
さらに、立地がいいからといって家賃が高すぎると、家賃の支払いに追われて破産してしまいます。長く店舗を続けるためにも、自分の条件に当てはまっているか確認が必要です。
また、この段階で申し込み時に必要な、連帯保証人を誰にお願いするか決めておくといいでしょう。
引き渡し状態や内装の確認
条件の確認ができたら、内装状態を確認しましょう。内装や備品の劣化具合や使い勝手の良さ、お隣さんとの関係まで確認できると理想的です。
現在、使われているテナントであれば、家具を残してくれる場合もあるためそこも確認するといいでしょう。のちのちトラブルにならないよう、残してほしい物はリストアップしておくことをおすすめします。
また、改装が必要な場合は、改装業者へ依頼するため、二度手間にならないよう改装業者も呼んで見積もりを作ってもらうといいでしょう。
入居申し込み
テナントが決まれば入居申し込みです。入居申し込みは迅速に行いましょう。申し込みの順番は早いもの順で決まります。
申し込みが落ちることはほとんどないため、2番手になってしまうと借りられない可能性もでてきます。そのため、良いテナントをみつけたら、すぐ申し込みを行いましょう。
また、入居時期や賃料、保証金で希望があるときはこのタイミングで伝えておくのがベストです。
家主審査
入居申し込みをすると、家主審査を受けます。
審査内容は、家賃に対して借主や連帯保証人の収入が充分であるか、信用に値する人なのかです。このとき、複数の不動産会社から申し込みがある可能性もあります。
ほかの申し込み者と差別化をはかるため、事業計画書や経歴書、コンセプトシートを用意してもいいでしょう。
審査結果は申し込み者数によって異なるため、早くて1日、遅い場合だと1ヶ月かかります。
関連記事:テナントの入居審査に注意!流れや見られるポイントを徹底解説
賃貸借契約
審査に通ると賃貸借契約を結びます。
契約に必要なものは主に以下の5つです。
- 契約者の住民票(印鑑証明書)
- 身分証明書
- 収入証明
- 連帯保証人分の同様書類(住民票・印鑑証明書・身分証明書・収入証明)
- 連帯保証人承諾書
法人の場合、登記簿謄本も必要です。
一度契約を結ぶと内容を変更することはできないため、契約内容は隅々まで確認しましょう。
物件引き渡し
契約が結ばれて、ようやく物件の引き渡しです。
このとき、内装を確認したときに依頼した家具があるか、ゴミが残されていないか確認しましょう。
問題なければインフラの手続きや改装にはいります。
改装時に電気や水道を使う可能性があるため、電気と水道だけでも先に契約しておきましょう。
テナントのおすすめの探し方は散歩!
テナントの探し方や契約までの流れを紹介しました。
出店したいエリアが決まっている場合、実際にエリア内を散歩し、自分の足で探す方法がおすすめです。
インターネットや不動産会社も知らないようなテナントを見つけられる可能性があります。
さらに、実際に営業している店舗に入り、店主に「付近で出店したいけど空いている店舗はないか」話を聞いてもいいでしょう。
思いがけない出会いがあるかもしれませんよ。