テナントの入居審査に注意!流れや見られるポイントを徹底解説
ビルや商業施設などの一角にテナントとして入居を希望した際、必ず行われるのが入居審査。
資金があれば誰でも出店できるなどと思われがちですが、実はいくつもの段階を踏んだ上で、最終的に審査をパスしなければ入居ができないのです。
そこで今回は、テナントの入居審査の流れやチェックされるポイントについて詳しく解説します。
テナント出店を検討している方、ぜひ参考になさってくださいね!
目次
テナントの入居時に審査を行う理由
そもそも、なぜわざわざ入居審査が行われるのでしょうか。
その理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、その希望者が物件を貸し出すに値する人物であるか、ということをオーナー側が見極めるためです。
万が一、近隣とのいざこざや反社会勢力の入居などのトラブルがあれば、オーナーが責任を問われる立場となるため、入居前にしっかりと確認が行われるのです。
もう1つの目的は、オーナー側がより理想的な契約者を選出することです。
好条件の物件の場合、複数の契約希望者が現れるケースが珍しくなく、その中から選んでもらうためには、厳しい審査をパスしなければなりません。
関連記事:テナントのオーナーとは何か、オーナーになる方法とともに解説
審査の流れ
テナントを契約する際、入居審査が行われる理由についてご紹介しました。
次に、テナントの入居審査の流れについて具体的に解説します。
➀契約申込書提出
入居したい物件が見つかったら、その物件を管理している不動産業者に問い合わせ、契約申込書を提出します。
内容としてはマンションを借りる際の申込書などとほとんど変わりはなく、氏名や住所、電話番号、勤務先、年収、連帯保証人など基本情報を書き込みます。
管理側としては、何よりテナント料を滞りなく回収できるかどうかを重視するため、場合によっては契約者や連帯保証人の源泉徴収票や確定申告書などの提出が必要となるケースもあることを理解しておきましょう。
②事業計画書・財務関連の書類提出
入居審査の中でも、かなりのウェイトをかけられているのが事業計画書です。
事業計画書とは、事業の内容や将来的な収益見込みなどを客観的に示した書類で、事業を始めるにあたって金融機関で融資を受ける際にも提出が必要となります。
具体的には、以下のような内容を盛り込みます。
- 事業内容、概要
- 事業のコンセプト
- 事業主の経歴
- 取扱い商品、サービス
- 従業員の状況
- 借入状況
- 必要資金と調達方法
- 収支計画
こうした内容を具体的に示し、相手から信頼を得ることが大切です。
店舗の移転などこれまでに別の場所での経験がある場合は、そちらの財務状況が分かる書類も用意しておきましょう。
③面談
基本的には不動産業者が仲介に入るため、契約までオーナーと顔を合わすことはありませんが、中には審査の段階で面談をしたいと希望するオーナーもいます。
ただしここでの面談はネガティブな意味ではなく、プラスになることが多々あります。
例えば、飲食店は原則NGとしているオーナーであっても、申込者の人柄を見てテナントを許可してくれるといったケースが実際にあるのです。
なぜお店を開きたいのか、なぜこの場所を希望するのか、そうした想いを精一杯伝えることが契約を勝ち取るポイントです。
④合否連絡
入居審査を受けたら、1週間以内に入居の可否についての連絡が来るのが一般的です。
原則として、審査を受けた人全員に結果の連絡が来るため、1週間以上待っても通達がない場合は不動産業者に確認の連絡を入れてみましょう。
場合によっては、連帯保証人の変更や保険への加入ができれば入居可能など、新たな条件を提示されることもあります。
テナント審査の必要書類
テナント審査を受ける際は、いくつか必要な書類があります。
法人、個人で求められる書類が異なるため、以下で確認しておきましょう。
【テナントの入居審査における必要書類】
契約形態 | 必要書類 | 概要 |
法人 | 登記事項証明書 | 会社の登記情報が記載された書類 |
決算報告書 | 事業年度ごとに、財産状況と経営成績をまとめたもの | |
会社概要 | パンフレットや公式HP 等 | |
連帯保証人の身分証明書 | ||
連帯保証人の収入証明書 | 課税証明書、源泉徴収票 等 | |
個人 | 事業計画書 | |
契約者の身分証明書 | ||
契約書の収入証明書 | ||
連帯保証人の身分証明書 等 | 要望があれば用意する |
関連記事:テナントに入居する際の4つの手順と押さえておきたい注意点を紹介
テナント審査でよくみられるポイント
こちらでは、テナント審査で実際にチェックされているポイントについてご紹介します。
営業時間
テナント審査で確認されることが多いのが、店舗の営業時間です。
静かな住宅街で夜中に営業していたり、人の出入りが多かったりすると、近隣住民からのクレームが出る可能性が高まるためです。
営業時間を変更することで契約が可能となるケースもありますが、本来の計画とは異なる事業形態となってしまうため、他にも候補があるのであれば、そちらを選ぶのも1つといえます。
経歴
当然のことながら、それまでの経歴は非常に重要です。
経験年数や実績がある人とない人では、信頼度が大きく異なり、とくに複数の契約希望者がいる場合は、その経歴から将来がイメージしやすい人を選ぶのが当然でしょう。
とはいえ、経歴がないと絶対に無理かというわけではありません。
スタートアップを積極的に応援したいというオーナーも少なからずいるため、収益や評判につながるようなエピソードがあれば伝えてみましょう。
事業計画
今後どのような段取りで、どのような事業を行っていきたいのか、ということがよく理解できる事業計画書が必須となります。
いくら画期的なアイデアであっても、実現性が低ければ意味がありません。
収益見込みや経営戦略、競合他社との違いなどについて数値を使って具体的に述べ、より現実味のある事業計画を提案することが重要です。
人柄
信じられないかもしれませんが、テナントの入居審査では、昔からよく耳にする「人柄のよさに惚れ込んだ」などという理由で契約に至るケースが珍しくありません。
やはり貸主と借主という関係であっても、結局は人と人との契約です。
近隣とのトラブルがなさそう、仕事に対して真面目に打ち込みそうなどという理由から、単純に気が合うといった理由まで中身はさまざまですが、オーナー側に好印象を与えるほど審査が通りやすくなるのは間違いないでしょう。
騒音や臭いなど想定される問題
近隣の住民やテナント間で問題になりがちなのが、騒音や臭いのトラブルです。
例えば保育施設や児童福祉施設などの子どもが多く出入りする店舗、あるいは焼肉などの飲食店が入った場合、騒音や臭い、煙などを防ぐことはほとんど不可能です。
そのため、立地によっては事業内容を理由に断られるケースも珍しくありません。
テナントイメージを明確に伝えて信頼を勝ち取ろう
テナントの入居審査の流れ、審査でチェックされるポイントについて解説しました。
入居審査は、入居者が信頼できる相手かどうかを見極めるために行われます。
分かりやすく現実味のある事業計画書を作成しておくことが大前提ですが、加えて営業時間やこれまでの経歴、人柄なども少なからず影響します。
どんな質問にも自信を持って答えられるよう、十分に準備した上で審査に臨みましょう。
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