テナントのスケルトン物件を選ぶメリットとデメリットを徹底解説!
不動産市場において、賃貸テナントを探す際にスケルトン物件という言葉をよく耳にします。とくに、独自性の高い店舗やオフィス空間を求める事業者にとって、スケルトン物件は魅力的な選択肢です。
しかし、スケルトン物件が具体的にどのようなものなのか、スケルトン物件を選ぶメリットやデメリットは何なのかについては、詳しく知らない方も多いでしょう。
この記事では、スケルトン物件の基本からメリットとデメリットだけでなく、適した利用者までを詳しく解説していきます。店舗やオフィスの出店・移転を考えている方々にとって必見の内容なので、ぜひ参考にしてください。
目次
スケルトン物件とは
スケルトン物件とは、内装が一切施されていない状態の賃貸物件のことを指します。文字通り「骨組み」だけの状態で、床や壁、天井は仕上げられておらず、電気や水道などの基本設備のみが設置されていることが一般的です。
このタイプの物件は、テナントが自由に内装を設計できる一方で、全ての費用と工事はテナント側の負担になるので注意しましょう。居抜き物件とは対照的に、スケルトン物件は前のテナントの影響を受けず、全く新しい空間を作り出すことが可能です。
居抜き物件とは
居抜き物件は、前のテナントが使用していた内装や設備がそのまま残されている物件です。これには飲食店などのカウンター、棚、厨房設備などが含まれることがあります。居抜き物件は、新たなテナントが追加の内装や設備投資を最小限に抑えて、すぐに営業を開始できるメリットがあります。
しかし、前のテナントのスタイルやイメージが強く残っているため、新しいテナントが自分のビジネスコンセプトに合わせるためには改装が必要になることもあるので事前の理解が不可欠です。
スケルトン物件のメリット
スケルトン物件を選ぶメリットはたくさんあります。特に自分だけの空間を創り上げたい事業者にとって、これらのメリットは大きな魅力となるでしょう。独自性やオリジナル性を追求する中で、スケルトン物件は柔軟な空間設計と創造の自由を提供します。
ここでは、スケルトン物件の主なメリットを3つ紹介するので参考にしてください。
- 内装を自由に決められる
- 新しい設備を導入できる
- 前テナントのイメージが残らない
メリット①内装を自由に決められる
スケルトン物件の最大の魅力は、内装を1から自由にデザインできる点です。店舗やオフィスのコンセプトに完全に合わせた空間を創造できるため、ブランドイメージを強く打ち出すことが可能です。
この自由度は、特にクリエイティブな業態や個性的なサービスを展開する事業者にとって重要な要素となるでしょう。
たとえば、アートギャラリーやユニークなコンセプトカフェなど、顧客体験を重視する事業において、独自の空間デザインは顧客の記憶に強い印象を残すことが可能です。
メリット②新しい設備を導入できる
スケルトン物件であれば既存の設備に縛られることなく、最新の設備やオリジナルの什器を導入できます。これにより、効率的な作業フローや先進的なサービスの提供が可能です。結果として、ビジネスの競争力を高められます。
例えば、ハイテクキッチン設備を導入することで、飲食店がより高品質な料理を提供したり、先端技術を駆使した展示空間を作り出したりすることが可能です。
これらの設備は、顧客に新しい体験を提供し、ビジネスを際立たせる要素となるでしょう。
メリット③前テナントのイメージが残らない
スケルトン物件は、前のテナントの影響を受けずに、全く新しいブランドイメージを構築できます。これは、特に新規ブランドや独特なコンセプトを持つ事業者にとって大きなメリットです。
前のテナントのイメージや制約から自由になることで、新しい顧客層を引き付けることができ、市場での差別化を図ることが可能です。
また、新しいブランドを市場に導入する際には、初期の印象が非常に重要であり、スケルトン物件は初期の印象を1から構築するのに理想的な環境を提供します。
スケルトン物件のデメリット
スケルトン物件が提供する自由度は大きな魅力ですが、それにはいくつかのデメリットが伴います。これらのデメリットを理解し、事業の計画にどのように影響を与えるかを考えることが重要です。
ここでは、スケルトン物件の主なデメリットを3つ紹介するので参考にしてください。
- 内装や設備の費用がかかる
- 工事期間が長くすぐに営業できない
- 退去時に解体費用がかかる
デメリット①内装や設備の費用がかかる
スケルトン物件の最大のデメリットは、内装や設備に関する全ての費用がテナント側の負担となる点です。デザインの計画から、実際の施工、設備の購入に至るまで、これら全てにコストが発生します。
特にオリジナルデザインを施したい場合や、特定の業態に特化した設備が必要な場合、コストは膨らむ一方です。
さらに、この初期投資は回収が保証されているわけではなく、ビジネスが期待通りに進まなかった場合のリスクも考慮する必要があります。
デメリット②工事期間が長くすぐに営業できない
内装工事の必要性は、開店までの準備期間を長引かせる大きな要因です。この工事期間は、計画段階での見積もりと実際の工事の進行によって変動する可能性があります。延長された工事期間は、予定されていた開店日の遅延だけでなく、その間の賃料や光熱費、その他の固定経費の発生を意味します。
これらの費用はビジネスが稼働していない間も発生するため、事業の初期段階での財務負担を大きくすることになるので注意が必要です。
関連記事:テナント工事の種類や施工にあたっての注意点3つを紹介
デメリット③退去時に解体費用がかかる
スケルトン物件では、退去時にテナントが施した内装を原状回復する必要があります。この原状回復には、内装の解体や、設備の撤去、場合によっては修復工事など、さまざまなコストが発生します。
特に独自のデザインや特殊な設備を導入している場合に、費用は非常に高額になる可能性が高いです。
また、短期間の利用後に移転する場合、これらのコストはビジネスの総利益に大きく影響する可能性があり、長期的な事業計画においても重要な要素となることは間違いありません。
関連記事:テナントや店舗の原状回復費用相場は? 費用を抑えるコツも紹介
スケルトン物件がおすすめの方
スケルトン物件は、独特の要件を持つ特定の事業者にとって理想的な選択肢です。ここでは、スケルトン物件が特に適している事業者のタイプを3つさらに深掘りして、その理由を詳しく解説します。
- 最初から自分で店舗を作り上げたい
- 資金や時間に余裕がある
- 2店舗目以降を開業する
最初から自分で店舗を作り上げたい
スケルトン物件は、特有のビジョンや独自性を持ち、それを具体的な形にしたい事業者に最適です。このタイプの物件を選ぶことで、店舗やオフィスのデザインを1から計画し、ブランドアイデンティティを明確に打ち出すことが可能です。
たとえば、カフェやブティックのような顧客体験が重要なビジネスモデルでは、スケルトン物件は、店舗の雰囲気や顧客の印象を大きく左右する要素となるでしょう。オリジナルの内装デザインは、顧客に忘れがたい体験を提供し、リピーターを生み出す重要な要素です。
資金や時間に余裕がある
スケルトン物件を最大限に活用するためには、適切な資金計画と時間管理が不可欠です。内装や設備への投資だけでなく、デザインの検討から施工、完成までの一連の過程には、相応の時間と費用が必要となることは間違いないでしょう。
このため、資金的な余裕があり、長期的な視点で事業を運営できる事業者に最も適しています。
例えば、新しいコンセプトのレストランや、特別なサービスを提供するフィットネススタジオなどは、スケルトン物件で自由度の高い設計を行うことで、市場における独自の立ち位置を確立できます。
2店舗目以降を開業する
既に市場での経験を積み、事業の成功モデルを確立している事業者にとって、スケルトン物件は次の成長段階へのステップアップとなる可能性が高いです。初めての店舗で得た知見を生かし、さらに洗練された店舗設計やサービス提供を計画できます。
また、既存の顧客層に新しい体験を提供することで、ブランドの忠誠度を高め、事業の拡大につなげることができるでしょう。例えば、既に成功しているアパレルブランドが、新たなコンセプトストアを開設する場合、スケルトン物件はそのユニークなビジョンを現実にするのに最適な選択肢です。
スケルトン物件は独自性が高くコストも高い
いかがでしたでしょうか。スケルトン物件は、内装を1から自分のビジョンに合わせて作り上げることができる一方で、相応の時間とコストが伴います。このタイプの物件は、特に自分のブランドやビジネスコンセプトを明確に打ち出したい事業者や、独自性を重視する事業者に適しています。
また、長期的な視点で事業を展開し、初期投資に対する経済的な余裕がある場合にも適しているといえるでしょう。
スケルトン物件を選択する際は、メリットとデメリットを十分に検討し、自身のビジネス計画に合致しているかどうかを冷静に判断することが重要です。
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