店舗の家賃相場は?家賃比率を下げるためのポイントも解説
「店舗の家賃相場はいくら?」
「家賃比率を下げるポイントが知りたい」
「事業用店舗に消費税がかかる理由は?」
店舗経営を行う際、避けては通れないのが家賃の出費です。
本記事では、店舗の家賃相場や家賃比率について詳しく解説していきます。
経営者の方は必見です。
目次
飲食店の家賃相場
まずは、飲食店の家賃相場について、以下の4つの側面から解説していきます。
- 大きく変動する要素は立地
- 不透明な価格決定要因も
- 適正な売上高/家賃比率
- 逆算して分かる必要な売上
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:家賃と賃料の違いとは?基礎用語を解説
大きく変動する要素は立地
飲食店舗の家賃相場は、立地によって大きく変動します。
観光スポットや繁華街、駅前など人通りの多い場所ほど家賃が高くなります。また、路面店や商業施設内のテナントとして賃借する場合も家賃が異なります。
物件の形状や面積によっても家賃は変わるため、どのような店舗を開業するかや、どのような立地を選ぶかによって家賃相場も異なるということです。
不透明な価格決定要因も
飲食店舗の家賃相場は、立地や面積などの条件である程度決まっていることが多いですが、不透明な価格決定要因も存在します。
たとえば、地主の要望や相場とは無関係の特別な条件などが考慮されている場合があります。
また、不動産業者によっても家賃相場の見積もりに差が生じることがあります。そのため、複数の業者の見積もりを比較することが重要です。
適正な売上高/家賃比率
飲食店舗の家賃相場には、適正な売上高と家賃比率があります。
適正な家賃比率は、全体の月間の売上高の10%~20%程度が目安とされています。
つまり、もし月間の売上が1000万円であれば、家賃は100万円から200万円程度が妥当な範囲とされます。
ただし、立地や業態によっても異なるため、これは一般的な目安に過ぎません。
適正な売上高と家賃比率は、店舗の収益力を考える上で非常に重要な要素となります。
逆算して分かる必要な売上
飲食店舗の家賃相場において、逆算して必要な売上を算出することが重要です。
これは、適正な家賃比率を基準に、家賃の額から逆算することができます。
たとえば、家賃が月額50万円の場合、適正な家賃比率である月間売上高の15%から逆算して、月間売上高は333万円であることがわかります。
そのため、家賃だけでなく経費や人件費も考慮して必要な売上を見積もり、効率的な経営を行う必要があります。
家賃比率を下げるポイント
次に、家賃比率を下げるポイントを紹介します。
主なポイントは以下の5つです。
- 家賃交渉する
- 営業時間を伸ばす
- フードデリバリーを実施する
- 営業時間外に店舗を活用する
- 変動費削減を検討する
それぞれ見ていきましょう。
ポイント①家賃交渉する
家賃比率を下げるポイントのひとつとして、家賃交渉が挙げられます。
家賃交渉は、経営状況に合わせて家賃を交渉することで、家賃比率を下げることができます。
交渉の際には、周辺の賃貸物件の価格や、自身の売上や来客数などの経営状況などを説明することが重要です。
また、相手方との信頼関係を築くことも大切です。
ただし、交渉が不成功となった場合のリスクもあるため、交渉前にはよく検討し、慎重に進めることが必要です。
ポイント②営業時間を伸ばす
家賃比率を下げるポイントのひとつとして、営業時間を伸ばすことが挙げられます。
営業時間を延長することで、より多くの売上を上げ、家賃の割合が下がる可能性があります。
たとえば、夜間の営業を行うことで、ディナータイムの売上を増やすことができます。
また、朝食やランチなどの時間帯を増やすことも有効です。
ただし、長時間の営業は労働時間やコスト面など、さまざまな問題も抱えているため、計画的に営業時間を設定する必要があります。
ポイント③フードデリバリーを実施する
家賃比率を下げるポイントのひとつとして、フードデリバリーの実施が挙げられます。
フードデリバリーを実施すると、店舗に来店しない顧客からも注文が入るため、売上を増やすことができます。
また、デリバリーを行うことで、店舗内に常にお客様がいるわけではない時間帯でも売上を上げることができるため、収益性が向上します。
ただし、フードデリバリーの実施には、注文の受け取りや商品の配達などの配送業務に必要なリソースが必要となるため、それに伴うコストと労力を適切に見積もる必要があります。
ポイント④営業時間外に店舗を活用する
家賃比率を下げるポイントのひとつとして、営業時間外の店舗活用が挙げられます。
たとえば、レンタルスペースとして利用することで、家賃負担を軽減することができます。
また、シェアオフィスとして利用することも考えられます。
この場合、別の事業者との相乗効果も期待できます。
さらに、営業時間外にオンラインショップの商品を受け取る拠点として活用することも可能です。
これらの活用で、家賃負担を軽減し、経営の負担を減らすことができます。
ポイント⑤変動費削減を検討する
家賃比率を下げるポイントのひとつとして、変動費削減を検討することが挙げられます。
たとえば、光熱費の節約や在庫管理の見直し、人件費の削減などがあります。
また、商品仕入れ価格の交渉やものの流れをよくすることで、コストダウンにつなげることもできます。
ただし、過度なコストダウンは逆に売上低下につながることもあるため、バランスの取れた削減策を検討することが重要です。
店舗家賃と消費税
店舗家賃には消費税がかかります。
基本的には、借り手が支払う家賃に消費税が加算されます。
税率は2013年6月現在、10%となっています。
なお、居住用賃貸アパート・マンションの場合は「生活に必要」という観点から、消費税課税項目の「商品の購入」や「サービス、役務の提供」にあたらないとして、消費税は免除されています。
事業用店舗に消費税がかかる理由
事業用店舗に消費税がかかる理由は、テナント賃料が消費税課税項目の「サービス、役務の提供」にあたるからです。
消費税のかからない居住用賃貸アパート・マンションも、もともとは消費税課税の対象でした。
しかし、のちに「生活に必要だからサービスの提供ではない」という議論から消費税の対象外となります。
つまり、事業用店舗を持っていない人が多いことからもわかるとおり、生活をするために国民誰しもが事業用店舗を必要としているわけではありません。
あくまで事業用店舗はサービスとしての賃貸であり、消費税課税項目の「サービス、役務の提供」にあたるため消費税がかかります。
関連記事:テナント賃料は消費税の課税対象? 費用を抑える方法も紹介
店舗の家賃相場は4つの観点から考えられる
今回は、店舗家賃に関するポイントをいくつか紹介してきました。
家賃比率を下げるポイントとしては「家賃交渉する」「営業時間を伸ばす」「フードデリバリーを実施する」「営業時間外に店舗を活用する」「変動費削減を検討する」の5つがあります。
また、事業用店舗は、消費税課税項目の「サービス、役務の提供」にあたるため消費税がかかります。
うまく家賃比率を下げて、効率よく事業を回しましょう。