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公開日 2023.11.27 更新日 2024.01.18

賃貸テナント更新料の全知識|相場から支払い義務まで徹底解説!

賃貸テナントを契約して経営する際に、更新料は重要な経済的要素の1つです。特に事業者にとっては、更新料の理解と計画が経営の安定に直結します。

 

この記事では、賃貸テナントにおける更新料の基本から、更新料の相場、更新期間にいたるまで詳しく解説していきます。

 

更新料はただの追加費用ではなく、賃貸契約を続けるための重要な部分であり、その背景と意味を理解することが大切です。

賃貸テナントの更新料とは

賃貸テナントの更新料は、契約期間満了後にテナントの契約を継続するために支払う一時金です。更新料は、新たな契約期間の開始を意味し、家賃の支払いとは別に発生します。

 

法的な義務ではないものの、今でも不動産業界で広く受け入れられている慣習です。

 

契約期間が満了するごとに発生する更新料は、テナント利用者が物件を継続して使用する意志を示す1つの形とされています。

 

関連記事:テナント契約での形態と入退去時の注意ポイント5つ

更新事務手数料

更新事務手数料は、更新に伴う事務手続きのために発生する手数料です。

 

契約書の再作成、条件の見直し、登記の更新など、契約更新に関わるさまざまな手続きにかかるコストを反映しています。

 

この手数料は、不動産会社や管理会社が行う事務作業の対価として、更新時に借主から徴収されるのが一般的です。

 

更新事務手数料の具体的な金額は、物件や地域、不動産会社によって異なりますが、契約内容や市場状況に応じて柔軟に設定されることが多いです。

賃貸テナントの更新料の相場

賃貸テナントにおける更新料の相場は、地域や物件の特性、さらには市場の状況によって大きく異なります。

 

一般的には、新規契約時の家賃の1〜2ヶ月分が目安とされていますが、この相場はあくまで一般的なガイドラインであり、実際の金額は貸主と借主の合意に基づいて任意に決定されます。

 

関連記事:テナントの家賃・賃料の決まり方や相場を解説

賃料の値上がりがあると更新料も値上がりする場合がある

賃料が値上がりする場合には、値上がりの影響は更新料にも及ぶ可能性が高いです。この連動性は、更新料が契約時の家賃に基づいて計算されるために生じます。

 

たとえば、賃料が10万円から10万5千円に上がった場合、更新料も同様に値上がりすることがあり得ます。

 

このような状況では、更新料に加えて消費税が内税なのか外税なのかを確認しておく必要があるでしょう。

賃貸テナントの更新料に支払い義務はある?

賃貸テナントの更新料に関しては、法律による明確な規定はありませんが、契約書に更新料の特約がある場合は、支払い義務が生じます。

 

これは、契約更新時に発生する費用であり、その性質はさまざまです。一部では、更新料の存在意義自体に疑問を持つ向きもありますが、昔からの慣習として多くの契約に盛り込まれているのが現状です。

更新料の契約は違反ではないのか?

更新料の契約は、法的に有効とされています。ただし、その金額や請求方法については、不当に高額であったり、契約の公正を害する場合には問題が生じる可能性があるので注意が必要です。

 

例として、2011年7月の最高裁判決では、更新料が契約書に明記されており、借主と貸主が同意していること、そして更新料が高額でないこと、これらの条件が整っていれば消費者契約法には違反しないと判断されています。

更新料の分割や金額の交渉はできる?

更新料の支払い条件に関しては、貸主と借主間の交渉により変更が可能です。特に経済的な困難を抱えている借主や、市場状況に応じて交渉が行われることもあります。

 

また、賃料減額請求権を行使して家賃交渉を行うことが基本とされています。家賃減額を断られた場合には、更新料の免除を交渉することも1つの方法です。ただし、更新料の交渉は難しい場合が多く、契約時にしっかりと確認し交渉しておくことが重要です。

賃貸テナントの更新期間

賃貸テナントの契約更新期間は、契約の種類や物件の性質によって異なります。

 

一般的なオフィススペースでは2年契約が多いですが、店舗や住宅の場合、それが1〜5年となることもゼロではありません。

 

更新期間は、賃貸契約の基本条件の一部であり、契約前にしっかりと確認することが重要です。

普通借家契約

普通借家契約は、借主と貸主の長期にわたる関係を想定した契約形態です。

 

この契約では、貸主による契約更新の拒否が制限され、借主に安定した使用権を提供します。この種の契約は、特に長期間にわたる事業の展開や安定した経営に適しています。

 

ここでは、下記の3つのパターンを深掘りして解説するので、ぜひ参考にしてください。

  • 法定更新
  • 合意更新
  • 自動更新

法定更新

法定更新は、賃貸契約において借主に有利な条件を提供するための制度です。この更新方法では、借主が契約の更新を希望する場合、特別な理由がない限り貸主は更新を拒否できません。

 

この「特別な理由」とは、例えば借主が家賃を長期にわたり支払わない、物件を明らかに損傷させる行為を行うなど、契約を継続することが不適切と判断される事態を指します。

 

法定更新は、借主にとって予測可能な安定した賃貸環境を提供し、不当な更新拒否によるビジネスの中断や生活の混乱を防ぐために設けられているシステムです。

 

このため、貸主は更新拒否をする場合、それに対する正当な理由を明示し、必要に応じて法的根拠を提供する必要があります。この制度は借主の安定性を保護する一方で、貸主には適切な物件管理と契約運用の責任を課します。

合意更新

合意更新は、双方の合意に基づいた更新方法です。この更新方法では、契約期間の終了に近づいた時点で、貸主と借主が新たな契約条件について話し合い、合意に達する必要があります。

 

このプロセスは、市場の状況変化、物件の価値の変動、または借主のビジネスニーズの変化に対応するために重要です。

 

合意更新では、家賃の額、契約期間、その他の契約条件など、契約のあらゆる面について再交渉が可能です。これにより、借主と貸主の双方が変化する市場環境や個別のニーズに適応する契約を形成できます。

 

ただし、この方法では交渉力や情報の非対称性が契約の結果に大きく影響を及ぼす可能性があるため、双方が公平な交渉を行うことが重要です。

自動更新

自動更新は、契約の満了時に特別な手続きを行わなければ、契約が自動的に更新されるシステムです。これは、契約が特定の期間で終了することを前提としないため、特に新たな契約交渉や合意がなくても契約が継続されることを意味します。

 

自動更新は、主に契約の安定性と継続性を維持するために利用されます。法律上の明確な定義はありませんが、実質的には法定更新の1つの形式として機能しているのが現状です。自動更新は、借主や貸主のいずれからも契約の変更や拒絶の申し立てがない限り、契約が黙示的に継続されることを意味します。

 

この更新方法は、契約の見直しや更新手続きの手間を省くことができますが、契約内容が時代遅れになるリスクも伴うので注意が必要です。そのため、契約条件を定期的に見直し、必要に応じて更新することが推奨されます。

定期借家契約

定期借家契約は、特定の期間が終了すると更新がなく終了する契約形式です。

 

この契約タイプは、更新の概念が存在せず、契約終了時には自動的に借主は退去しなければなりません。

 

定期借家契約は、ビジネス環境や物件の特定の需要に基づいて選択されることが多いです。

建て替え計画や賃料交渉の避けるための利用

定期借家契約は、特にビルの建て替え計画や賃料の増減交渉を避けるために用いられます。たとえば、物件所有者が数年後の建て替えを計画している場合、この契約形式を選択することにより、建て替えの期間に合わせてテナントを確実に空けることが可能です。

 

また、賃料の交渉や契約条件の見直しを頻繁に行うことなく、一定の期間で確実に契約を終了させることができるため、物件所有者にとっては管理が容易になります。

再契約の条件と再契約料

契約期間の終了時にテナントが物件を継続して利用したい場合、再契約が必要です。この際、再契約料が発生することが一般的です。

 

再契約料は、新たな契約の開始に伴う管理コストや、契約条件の見直しに関連する費用を反映しています。再契約の際には、新たな市場状況や物件の状態に基づいて賃料や契約条件が見直されることもあります。

契約終了時の退去と原状回復

定期借家契約が終了すると、借主は物件から退去しなければなりません。この際、契約書に明記された原状回復義務に基づいて、テナントは物件を元の状態に戻して返却する必要があります。

 

原状回復に関連する費用は、テナントの借主の負担となることが一般的です。この点は、契約時に注意深く確認する必要があります。

適用されるビジネスシーン

定期借家契約は、ビジネスの特定のニーズに合わせて適用されます。たとえば、短期間のプロジェクト用のオフィススペースや、期間限定のイベントやポップアップストアなど、特定の期間に限定されたビジネスの場合に最適です。

 

また、不動産市場の変動が激しいエリアや、建て替え計画が頻繁に行われる地域では、定期借家契約がより一般的です。

契約選択の重要性

定期借家契約の選択は、ビジネスの性質と将来計画に密接に関連しています。契約の更新が不可能なため、テナントは契約期間の終了に合わせて次のステップを計画する必要があるでしょう。

 

この契約形態のメリットとしては、更新料や契約更新に伴う不確実性を避けることができる点が挙げられます。一方で、契約期間の終了時には確実に移転する必要があり、そのための計画と準備が求められます。

更新料や更新期間に困ったら不動産会社へ

いかがでしたでしょうか。テナント契約の際の更新料に関する内容を紹介しました。

 

更新料に関する知識は、テナントを契約する際に非常に重要になるということは理解いただけたことでしょう。万が一、詳しいことが分からない場合でも契約の仲介を担当してくれる不動産会社へ更新料のことを尋ねてみるのがおすすめです。

 

更新料と更新期間などテナントを契約する際の重要な項目はたくさんあります。

 

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