賃貸テナントで名義変更できる?手続きの流れも解説
ビジネスを展開する際、店舗やテナント物件の名義変更は避けられない課題の一つです。名義変更の必要性はさまざまな状況で生じますが、それぞれのケースに適した手続きがあります。
この記事では、テナント名義変更が可能な場合とその手続きについて詳しく解説します。
目次
賃貸テナントで名義変更はできる?
賃貸契約における名義変更は一般に可能ですが、賃貸テナントの契約においては、契約書の条件や管理会社の規定によって異なる場合があります。
名義変更が許可される場合でも、単なる変更手続きを超えて、新規契約が必要になることもあります。
賃貸テナントで名義変更できるケース
賃貸物件の名義変更は通常可能です。
ただし、テナント契約では、契約内容や管理会社の方針によって実施できるかどうかが決まります。
銀座でビジネスを営む際によくある名義変更が認められるケースを紹介します。
ケース①結婚や離婚によって苗字が変わったとき
結婚や離婚に伴う苗字の変更は、名義変更手続きを比較的容易に進めることができる一般的なケースです。
この種の名義変更は契約者の身元自体の変更ではないため、管理会社に通知することで手続きを開始することが可能です。
手続きを進めるには、管理会社から提供される変更申請の書類が必要となり、これは通常、郵送で自宅に送付されます。
また、大手の管理会社の場合は、ウェブサイトから必要な書類のフォームをダウンロードして印刷するオプションも提供されていることがあります。
ケース②契約者自体を変えたいとき
企業の経営陣が変わるか、組織が再編される際には、新しい契約者が契約上の条件を満たすことが必須です。
契約者名の変更を伴う場合、新指名された契約者は適切な審査を受け、その結果に基づいて「再契約」が行われます。
これは、物件のオーナーが以前の契約者に対して持っていた信頼を、新たな契約者にも求めるためです。
新契約者が親族であっても、その人物の信用性や賃料を支払う能力は検証されます。
一般的に再契約が必要となる名義変更のケースは以下の通りです。
- 会社からの家賃補助を受けるため、夫婦間で名義を変更したい場合
- 会社からの家賃補助を受けるため、個人から法人契約に変更したい場合
- 離婚や死亡などで元の契約者が不在となり、自分名義に変更したい場合
- 就職を機に、親名義で借りていた物件を自分名義に変更したい場合
- ルームシェアをしていて、契約者が退去するため名義変更をしたい場合
これらの状況では、名義変更ではなく「再契約」のプロセスが求められます。
ただし、単に入居者を変更したい場合は、再契約の必要はありません。変更の申請を管理会社に行うことで、手続きは完了します。
たとえば、親の名義で契約されたマンションに住む兄から、卒業を機に弟への住み替えのような場合です。
契約者自体に変更がないため、入居者の交代を管理会社に通知するだけで済みます。
この原則は、法人名義での社宅契約においても同じく適用されます。
ケース③連帯保証人を変えたいとき
連帯保証人を変更する場合も、契約者を変更するのと同じく、新しい保証人が適格であることが前提となります。
連帯保証人を新しく設定する際には、適任者を見つけてその人の同意を得た上で、変更の申請を行います。そして、新しい連帯保証人の資格に基づいて、契約を更新することになります。
このプロセスには、新しい連帯保証人に対する審査が含まれます。多くの場合、連帯保証人は親族に限定されることが一般的であり、単に収入がある知人という理由だけでは連帯保証人として認められないことが多いので、この点には注意が必要です。
関連記事:テナント契約時の連帯保証人の役割と重要性を徹底解説
賃貸テナントの名義変更手続きの流れ
名義変更や再契約の条件は、管理会社や物件オーナーによって異なるため、一様ではありません。このセクションでは、一般的に想定される費用、手続きに必要な時間、および必要書類についてご案内します。
名義変更の場合
苗字の変更に伴う名義変更を行う場合は、事前に次の書類を準備しておくことが重要です。
- 身分証明証(苗字が変更されているもの)
- 住民票(3ヶ月以内発行)
これらの書類を整えておけば、名義変更が必要になった際に迅速に手続きを行うことができます。
再契約・新規契約の場合
再契約を行う際には、新しい契約者が次の書類を事前に準備しておく必要があります。
●個人契約時に必要な書類
- 入居申込書(または物件によっては名義変更申請書)
- 公的身分証明書(運転免許証や社会保険証など)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票や課税証明書)
- 最近3ヶ月以内に発行された住民票
●法人契約時に必要な書類
- 入居申込書(または物件によっては名義変更申請書)
- 最新の登記簿謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
- 決算書(企業の規模によっては不要な場合もあります)
一般的には、指定された書類を準備することで手続きはスムーズに進行しますが、特定のケースによっては、追加の資料が必要になる場合があります。
そのため、事前に管理会社に確認し、必要な全ての書類を揃えておくことが重要です。
名義変更にかかる費用・時間
名義変更や再契約の条件は、管理会社や物件のオーナーによって異なり、統一された基準は存在しません。名義変更に際しては、各管理会社やオーナーの方針に応じてさまざまな費用がかかる場合があります。
通常、以下のような費用が発生する可能性があります。
名義変更・再契約の手数料は契約による
名義変更や契約更新時の手数料は、契約内容や管理会社の方針によって大きく異なり、数千円から賃料の1ヶ月分までの範囲で設定されることがあります。
具体的な金額は契約書や重要事項説明書に記載されているので、そこで確認することをお勧めします。
契約書が手元になければ、管理会社に直接問い合わせるのが最も確実です。
仲介業者を通じた手続きでは余計な手数料がかかることがあるため、直接管理会社に依頼することで不必要な出費を避けられます。管理会社を探す際には、以下の方法が役立ちます。
- 支払いの明細や請求書を確認する
- 建物の案内板をチェックする
- 管理人や清掃員に直接尋ねる
- 近隣の住人に情報を聞く
請求書の細部に目を通すこと、建物の共有スペースに掲示されている案内板を確認すること、さらには管理人や隣人との会話から得られる情報を集めることで、管理会社の連絡先を迅速に見つけ出すことが可能です。
これらの手段を駆使すれば、必要な時に素早く対応を取ることができます。
関連記事:賃貸テナント更新料の全知識|相場から支払い義務まで徹底解説!
変更にかかる時間は最長で2か月程度かかる
手続きの完了には状況によって異なりますが、最大で約2ヶ月を見積もるのが適切です。
名義変更であれ再契約であれ、契約書の再作成が必要となるため、一定の時間を要することを想定してください。最短でも手続きには1週間程度は見ておくべきです。
とくに大手の不動産会社の場合、プロセスが長引くことがしばしばあり、1〜2ヶ月かかることも珍しくありません。
したがって、名義変更の必要が生じた際には、できるだけ速やかに手続きを開始することをお勧めします。
名義変更にともなう再契約の際は敷金礼金は発生するのか
再契約を行う際にも、通常は敷金や礼金を新たに支払う必要はありませんが、最終的な取り決めは管理会社との協議によって定められますので、この点は事前にしっかりと確認が必要です。
敷金については、前の契約者がその返還を求める場合は、一旦返金された後に新契約者が再度支払う形になることがあります。
このような細かな条件も含め、管理会社との間でしっかりと話し合い、合意に至ることが重要です。
テナントの名義変更はスケジュールに余裕を持って行おう
テナント運営における名義変更は、契約と管理会社の方針によって異なる必要な手続きです。苗字の変更は比較的容易ですが、契約者の変更には新規契約が要されることがあります。身分証明書や住民票などの書類が必要で、手数料はケースによります。
手続きは1週間から2ヶ月の期間を要することがあり、敷金や礼金の扱いは管理会社との事前の確認が必要です。余計な費用を避けるためには、管理会社に直接手続きを依頼することが推奨されます。
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