商業施設のテナント賃料の相場を解説
「商業施設のテナント賃料の相場は?」「商業施設のテナントを借りる場合の賃料形態は?」「商業施設のテナント賃料は各エリアでどのように異なる?」商業施設のテナント賃料相場に関して、このような疑問をお持ちではないでしょうか。
商業施設のテナント賃料は、エリアや物件の大きさ、周辺環境の状況などによって価格が大きく変動します。商業施設へ出店を考えている場合には、あらかじめテナント賃料を調べ、各エリアの賃料を比較しながら適切な物件を見つけることが重要です。
とはいえ、商業施設のテナント賃料の相場はどのような価格帯なのか、具体的なイメージが沸かず迷ってしまいますよね。
本記事では、商業施設のテナント賃料相場、商業施設のテナント賃料の形態、商業施設テナントの坪単価などについて紹介します。
目次
商業施設の賃料の相場
不動産サービス会社「CBRE」による調査によると、2022年時点における全国主要都市の商業施設の賃料相場は以下の通りです。
※記載の金額は、1ヶ月あたりの坪単価。
エリア | 2022年6月 | 2022年8月 | 2022年11月 | 2023年2月 |
銀座(東京) | 24.15万円 | 24.15万円 | 24.15万円 | 25.07万円 |
心斎橋(大阪) | 14.20万円 | 14.20万円 | 15.20万円 | 15.20万円 |
栄(名古屋) | 7.05万円 | 7.00万円 | 7.00万円 | 7.10万円 |
東京の賃料の相場
首都圏店舗賃料相場情報サイト「店舗相場TOWN」の調査によると、2023年4月時点における東京都の店舗賃料相場は以下の通りです。
店舗1階の坪単価 | 店舗1階以外の坪単価 | |
平均価格 | 3.58万円 | 2.51万円 |
最高価格 | 38.46万円 | 35.00万円 |
最低価格 | 0.50万円 | 0.17万円 |
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商業施設の賃料の形態
商業施設の賃料の形態には、固定費を軸に月賃料が発生するものや店舗の売上に応じて賃料が加算されるもの、そして固定費に歩合制の料金が加算されるものなど、さまざまな形態が存在します。
なかでも代表的な形式が、次の5つの方式です。
- 固定賃料方式
- 完全歩合方式
- 固定+歩合方式
- 最低保証売上方式
- 逓増型歩合方式
「固定賃料方式」では、テナントの坪数や立地に応じて、設定される月の固定賃料のみを支払います。
また「完全歩合方式」では、テナントに出店する店舗の売上に一定の歩合率をかけて算出される金額を月ごとに支払います。
さらに、固定賃料方式と完全歩合方式を組み合わせた「固定+歩合方式」は、テナントごとに設定されている固定賃料にくわえ、店舗の売上のうち一定の割合分の金額を支払う形式です。
そのほか、月初めにあらかじめ決定される売上の最低ラインと、実際の売上との差額分を賃料として支払う「最低保証売上方式」や、売上状況に応じて賃料に増減が生じる「逓増型歩合方式」があります。
商業施設のテナントの坪単価
商業施設におけるテナントの坪単価は、テナントの大きさや立地、周辺店舗の状況などに応じて変動します。
そのほかにも、テナントが所在するエリアに人口が多い地域であるかどうか、テナントに新しい設備が備わっているか、過去にその場所へ出店した店舗の設備が残っている場合には設備の老朽化の度合いなども、テナントの坪単価に影響します。
また、テナントの坪単価には、他施設との共有スペースを維持するための共益費が含まれる場合があります。共益費とはテナント周辺の共有トイレ、エレベーター・エスカレーターなどの設備に対して支払う必要のある維持費のことを指します。
このとき、テナントを借りる際に支払う保証金には共益費が含まれないことに注意しましょう。
商業施設のテナント賃料相場は高額になることも
商業施設の賃料は、エリアやテナントの大きさ、周辺環境の状況によっても大きく変動するため、物件探しを行う場合には出店にかかる予算を踏まえて、適切な価格の商業テナントを選ぶ必要があります。
とくに、東京や大阪などの主要都市では商業施設の賃料が高額にのぼる場合もあるため、予算が限られる場合には、物件の階数を変更したり内装費に予算を大きく振り分けて、賃料は安く抑えたりするなどの工夫をしましょう。
坪単価はテナント物件の人気度や設備の充実度を手軽に把握できる判断材料になるため、各エリアにおける商業テナントの坪単価を比較することで、該当エリアに出店するメリットが具体的に把握できます。
商業施設へ自店舗を出店しようと検討している方は、しっかりと賃料を確認したうえで予算に見合う物件を見つけましょう。