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公開日 2023.09.28 更新日 2024.01.17

テナントや店舗の原状回復費用相場は? 費用を抑えるコツも紹介

テナントや店舗を退去する際、「原状回復にはどのくらいの費用がかかるのだろうか」「原状回復の費用を抑えたい」と気になっている方もいるでしょう。 

 

そこで本記事では、テナントや店舗の原状回復費用の相場や居住用物件との違い、トラブルを避けるための注意点や費用を抑えるコツについて説明します。 

テナントの原状回復の概要

テナントの原状回復とは賃貸の契約が終了し、賃貸契約中に借りた時点の状態に戻すことを指します。ただし、賃貸契約でも「居住用」と「テナント用」では、原状回復の内容が異なります。

 

それでは、「居住用」と「テナント用」の違いについて確認していきましょう。

 

関連記事:テナント契約での形態と入退去時の注意ポイント5つ

 

居住用物件の場合との違い

居住用物件はそれぞれの耐久年数にあわせて、原状回復費用を算出します。例えば、カーペットやクロスの耐久年数は6年、洗面台のような給排水設備の耐久年数は15年です。 

 

そのため、2017年に設置したカーペットやクロスであれば、2023年に価値が0となる一次関数が適用されます。 また国土交通省では、居住用物件の原状回復には以下のようなガイドラインを定めています。 

 

“原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」” 

 

引用:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 

テナントの原状回復費用の相場

事業用のテナント物件において通常、原状回復費用は賃借人の負担となり、100%賃借人に課せられます。 

 

飲食店やサロン、クリニックなど、店舗の業態に応じて内装工事をして特定の使い方をしていた場合、修繕工事の費用が必要です。 

 

また、賃借人が店舗をきれいに使用していたとしても、契約時の新品同様の状態で返却する必要があります。 

 

それでは、飲食店、美容室・サロン、クリニック、オフィスなどの業態ごとに、店舗物件の原状回復に関連する特徴と工事費用の目安を紹介していきましょう。 

飲食店

飲食店として利用していた店舗では通常、商業施設内で夜間作業が必要です。そのため、管理者の常駐が求められるケースが多く、通常の原状回復工事に比べて約30%から50%高い費用がかかることが一般的です。

 

【飲食店の原状回復工事の相場】 

  • 30坪未満の小規模店舗:4万~6万円/
  • 30坪以上の大規模店舗:3万~5万円/

オフィス

オフィスや事務所として使用される店舗は、造作などの状態により費用が異なります。また、建物のグレードや指定業者によって原状回復工事の費用が異なることもあるでしょう。 

 

オフィスや事務所は元々きれいな状態で契約することが多いため、元のきれいな状態へ原状回復をして返却するケースがよく見られます。 

 

【オフィスの原状回復工事の相場】 

  • 30坪未満の小規模店舗:4万~6万円/
  • 30坪以上の大規模店舗:3万~5万円/

クリニック

クリニックとして利用される店舗には、レントゲン室のような特殊設備があります。これらの設備を解体し適切に廃棄処分する必要があるため、原状回復工事費用が通常より高額になるでしょう。 

 

【クリニックの原状回復工事の相場】 

  • 30坪未満の小規模店舗:4万~6万円/
  • 30坪以上の大規模店舗:3万~5万円/

サロン・美容室

美容室やサロンとして使用される店舗は、多数の排気ダクトや、個室や小上がりなどの特殊な設備があるなど、原状回復工事において費用が高くなる可能性があります。 

 

【サロン・美容室の原状回復工事の相場】

  • 30坪未満の小規模店舗:4万~6万円/
  • 30坪以上の大規模店舗:3万~5万円/

原状回復におけるトラブルを避けるための注意点

テナントや原状回復におけるトラブルを避けるための注意点は以下の3つがあります。

  • (賃貸借契約における)特約に目を通す
  • 指定業者の有無を貸主に確認する
  • 事期間を確認する

それぞれの注意点について確認していきましょう。 

賃貸借契約における特約に目を通す

原状回復とは、借りたときの状態に戻すことを意味します。つまり、借りたときよりも良い状態に戻す必要はありません。賃貸契約書にある原状回復の特約に目を通し、不明な点などは貸主にしっかり確認することが重要です。 

 

また、店舗を退去する際、残しても問題ないものを確認し、原状回復工事の費用を削減できるよう交渉することができます。「残しても良いものは何か?」と、事前に大家さんとしっかり確認しましょう。 

指定業者の有無を貸主に確認する

店舗物件の原状回復では通常、賃貸人が特定の業者を指定していることが一般的です。しかし、場合によっては、指定業者以外でも工事が可能なケースもあります。そのため、大家さんに事前に指定業者の有無を確認し、可能な場合はなるべく早く他の業者から見積もりを取るようにしてください。  

 

指定業者から別の業者に切り替えることで、原状回復工事の費用の削減につながるケースもあります。ただし、指定業者以外の業者に依頼する場合は、原状回復工事に熟練した業者を選ぶことをおすすめします。 

工事期間を確認する

事業用の店舗物件では退去前、つまり契約期間中に原状回復工事を行う必要があります。物件によっては、賃貸契約の解約予告期間が3か月から6か月といった長期間にわたる場合もありますので、賃貸契約書に記載された解約予告のタイミングを事前に確認しておきましょう。 

 

店舗物件の原状回復工事には、規模、事業形態、工事内容に応じて異なる工期がかかります。小規模な店舗や飲食店の場合、工期は通常約1週間程度ですが、中~大規模な店舗の場合はそれ以上の期間がかかることも少なくありません。  

 

万が一、退去日までに原状回復工事が完了しない場合、賃借人は賃貸契約を延長して、その分の賃料を支払うことになるため注意してください。原状回復工事が期間内に終わるように、事前に業者と詳細なスケジュールを確認しておきましょう。 

テナントの原状回復費用を抑えるコツ

テナントや店舗の原状回復費用を抑えるには「居抜き退去」をして、原状回復費用を大幅に減らす方法があります。 

 

「居抜き退去」とは、以前に使用していたインフラ設備や家具、什器や内装などを残したまま物件を退去することを指します。

 

もちろんオーナーの許可が必要となりますが、許可が得られた場合、大規模な原状回復工事が不要となります。つまり、閉店にかかるコストを削減することができるのです。

 

関連記事:テナントの立ち退き料の相場を解説

トラブル対策には賃貸借契約の特約の内容を把握しましょう!

今回は、テナントや店舗の原状回復費用の相場や居住用物件との違い、トラブルを避けるための注意点や費用を抑えるコツについて説明しましたが、いかがでしたでしょうか。 

 

テナント物件では原状回復費用は、100%賃借人の負担となります。また原状回復の際、トラブルに発展しないよう、賃貸借契約内容を把握しておきましょう。 

 

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