アパートの事務所利用について解説
「アパートを事務所として利用できるの?」
「事業所可物件であれば業種は何をやってもいいの?」
「自宅を事業所利用できなかったとき、どうしたらいいの?」
このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
契約内容によって賃貸物件でも開業届を提出できます。
ここからは、賃貸物件の事務所利用について紹介します。
自宅を事業所利用できなかったときの対応策まで記載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
需要が高まっているマンションの事務所利用
テレワークや働き方改革、フリーランスの増加で個人事業主が増えています。自宅で好きな時間に働けるって憧れますよね。
しかし、契約内容がOKじゃないとマンションを事務所として利用できなかったり、勝手に事務所として利用してしまうとトラブルになる可能性が高かったりとリスクもあります。
そのため、開業前に確認しておくことが必要です。
賃貸物件の場所で開業届は出せるのか
賃貸物件で開業届は出せません。開業届を出すためには事業用物件である必要があります。
では、事業用物件と私たちが普段住んでいる住居用物件にはどんな違いがあるでしょう。
ここからは、事業用と住宅用の税金の違いについて紹介します。
事業用と住居用の違い
事業用と住居用物件の違いは税金の有無です。
通常、住居用の賃貸物件は税金がかかりません。しかし、事業用の賃貸物件は家賃に税金がかかってしまいます。
では、課税分を支払えば、事業用として利用できるのかといったらそうではありません。
賃貸物件の大家さんは、物件登記をするとき、用途を登録します。
この用途によって税率が変わるため、住居用物件を事業用物件として利用したい場合、物件の登記内容から変更してもらう必要があるのです。
住居兼事務所ならOK?
では、住居兼事務所の場合、利用可能なのでしょうか?
- 賃貸マンションの利用規約をチェック
- 大家さんと管理会社に相談してみる
- 大家さんが事業所を嫌う理由
3つの項目から解説します。
賃貸マンションの利用規約をチェック
まず、利用規約を確認しましょう。
賃貸借契約書の利用規約には、事業用利用に関する記載がある場合があります。
特に、税金の扱いについて記載されている可能性が高いため、よく目を通しておきましょう。
また、契約書の用途欄に「住宅用」と記載されている場合、住居以外の用途は認められません。
しかし、住宅兼事務所は住宅として利用している場所を事務所として利用するため、消費税が課税されず、住宅用物件のまま利用できる場合があります。
大家さんと管理会社に相談してみる
まず、大家さんと管理会社に相談してみましょう。
利用規約では、事業用の使用は不可となっていても、契約時と考え方が変わっているかもしれません。
一番やってはいけないのが、バレないからといって大家さんや管理会社に相談せず事業用事務所として使ってしまうことです。
もし、バレてしまった場合、利用規約違反で追い出されてしまう可能性もあります。
大家さんが事業所を嫌う理由
大家さんが事業所を嫌う理由には以下の3つがあります。
- セキュリティ面の不安
- 近隣トラブルの懸念
- 外観イメージを損なう
事業所にすることで人の出入りが多くなります。その結果、セキュリティ面や、近隣住民とトラブルを懸念しているのです。
さらに、看板を立てることで外観のイメージが損なわれることも心配しています。
事務所の利用は可能だが店舗利用は禁止される場合がほとんどです。
その理由は4つあります。
- 人の出入りが多くなる
- セキュリティ面の心配
- 異臭被害
- 住宅の劣化
特にエステやネイルなどは匂いがするオイルや塗料を使うため、近隣住民からクレームがでる可能性があります。
そのため、大家さんに相談するときは業種も伝えるようにしましょう。
事業所可物件とその注意点
事業所可物件でも以下の点に注意しましょう。
- エントランスのポストに事務所名を記載してもいいか
- 玄関に看板や表札を出していいか
物件の外観が損なわれるため出さないで欲しいと思っている大家さんもいます。
そのため、出してもいいといわれた場合でも、実際に出す看板の大きさや、文字のイメージなど事前に確認してから出すようにしましょう。
関連記事:マンションを事務所として利用する場合の注意点を解説
事務所兼住宅(SOHO)とは
事務所兼住宅(SOHO)とはインターネットを活用して自宅や小規模なオフィスでPC1つで仕事をすることです。
では、事務所可物件とSOHO可物件の契約にどのような違いがあるのかみていきましょう。
事業所可とSOHO可の契約の違い
事業所可とSOHO可の契約の違いを紹介します。
- 事業所可の契約
- SOHO可の契約
それぞれ紹介します。
事業所可の契約
事業所可の契約は、事業用として契約を結びます。そのため、借主は個人事業主から法人に登録することも可能です。
また、さまざまな業種の事業が可能になります。
注意点は寝泊りはしないこと、業務以外に物件を利用しないことです。最低限のマナーは守るようにしましょう。
また、火災保険は住居用ではなく事業用の保険に入る必要があります。
SOHO可の契約
SOHO可の契約は、住居用と同じ契約を結びます。そのため、税金もかかりません。
しかし、借主は法人登録できない場合が多く、大家さんによっては法人登録が可能な場合があります。
あくまで住居用の物件を使っているため、人の出入りが多い業種は適しません。
そのため、HPや広告に住所を乗せる行為も控えましょう。
住居専用から事業用への登記変更の流れ
ここからは、住居専用から事業用への登記変更の流れを紹介します。
- 手続き方法
- 必要書類
それぞれ見ていきましょう。
手続き方法
以下の手順で手続きを行います。
- 法務局で登記内容を確認
- 変更後の利用状況がわかる写真や書類を準備
- 書類作成
- 法務局へ提出
この手続きは大家さんが行い、1〜2週間で登記が完了します。
必要書類
書類作成時に必要な書類は以下の4つです。
- 登記申請書
- 所有者の住民票
- 所有権証明書
- 変更の状況がわかる書類
登記申請書は法務局でもらえます。
変更の内容がわかる書類は、変更内容によって用意する書類が変わります。
そのため、申請書を入手したとき、法務局に確認しましょう。
自宅を事業所利用できなかったら
最後に、自宅を事業所利用できなかった場合の解決策を2つ紹介します。
- レンタルオフィス
- バーチャルオフィス
それぞれ紹介します。
レンタルオフィス
レンタルオフィスとは、一般的な物件よりコンパクトな個室をレンタルするサービスです。
1フロアにいくつか個室があり、家具や通信機器が揃っています。
共用部分には会議室や水やコーヒーが飲めるリフレッシュスペースが完備されています。
PCさえあればすぐ業務を開始できるところが嬉しいポイントです。
賃料は5万円前後と多少費用はかかりますが、光熱費や通信代も含まれています。
登記が可能なレンタルオフィスも多いため、自宅を事業所利用できなかった人におすすめです。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとは、住所と電話番号だけを借りるサービスです。
実際に場所は借りませんが、法人化の登記ができるところもあります。
費用はレンタルオフィスより安く、1ヶ月5,000程度で借りられます。
電話対応や郵便物はスタッフが転送してくれるため、安心して利用可能です。
バーチャルオフィスは実際の居住地とは関係ないため、法人化をしながら田舎でのんびり仕事ができます。
アパートの事務所利用は大家さんに確認しよう
アパートの事務所利用やSOHOについて紹介しました。
在宅ワークやフリーランスが増えているため、賃貸住宅の事務所利用は需要が高まってきています。
契約内容に事務所利用不可の文字があったとしても、今の大家さんの考えは変わっているかもしれません。
そのため、アパートを事務所として利用したい場合は大家さんに確認してみてください。