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公開日 2023.08.23 更新日 2024.01.17

テナントリーシングとは何か?知っておくべき基礎知識

不動産オーナーとテナントとの間で契約を行う「テナントリーシング」という用語について聞いたことがあるでしょうか。

 

これは、不動産オーナーが収入を得る機会を増やすことができ、テナントにとっては住居を確保するための手段として使われている、一般的な方法のひとつです。

 

しかし、テナントリーシングは単純な手続きではなく、物件の選択から契約締結、退去までの間には、多くの注意点やトラブル回避のためのポイントが存在します。
そのプロセスに慣れていない人にとっては、複雑でストレスを感じることもあるかもしれません。

 

そこで、本記事ではテナントリーシングに関する基本的な知識から、メリットと注意点、トラブル回避のための対策までを解説し、よりスムーズかつ安心してテナントリーシングを行うための情報を提供します。

テナントリーシングとは

テナントリーシングとは、商業施設やオフィスビル内の賃貸物件の借り手を探し、契約成立に至るまでに発生する業務をサポートする活動のことを指します。
いわゆる「客付け」と呼ばれ、テナントリーシングを略して「リーシング」と覚えておきましょう。

 

もしも物件の管理者やオーナー自らがテナント募集を行うとすると、物件の契約までには広告での宣伝、希望者への物件内見、契約手続きなど、プロセスには多くの工数と手間が発生します。

 

さらに、不動産に関する専門的な知識も求められるため、テナントリーシングを利用し、専門的かつ迅速にテナントを確保することが必要です。

 

関連記事:建物オーナー様必見!誘致率の高いテナント募集方法7選を徹底解説

テナントリーシングの必要性

テナントリーシングが必要な理由は、管理する商業施設や収益不動産の空室を出さないようにするためです。
商業施設やオフィスビルなどの物件においては、空室を減らすことが利益に直結することが多いため、専門的なリーシング会社を利用し、迅速かつ効果的なテナント募集を行うことが必要となります。

 

空室を減らすためには、テナントリーシングのプッシュ型営業が重要なポイントです。

 

最適な会社にテナントを紹介するには、テナントの立地条件や敷地の規模を確認したうえで、どのような形態の店舗がいいのか判断するとともに、周囲の出店状況、エリア特性、交通量、一通りの多さ、近隣の世帯数や人口なども調べなければいけません。

 

つまり、マーケティングに関する知識も必要となるため、専門的な会社へ依頼するのが確実といえるでしょう。

 

また、テナントリーシングを利用することで、物件の管理者またはオーナーは、テナントの管理を専門的な会社に任せることで、自身の業務に専念できます。

テナントリーシングの業務内容

テナントリーシング会社が行う業務内容は、大きくいえば以下の3つのとおりです。それぞれについて詳しく解説します。

業務内容①立地や集客などのマーケティング調査

まずは、物件の立地や周辺環境、ターゲットとするテナント層などを分析することが重要です。

 

この調査をすることで、どのような業態の店舗や企業を誘致すべきなのかが明確となります。そして、そのうえで効果的な集客戦略を立案し、テナントを募集するようにしましょう。

 

テナントリーシング会社は、物件の利用可能面積や、利用することができる施設、アクセスの良し悪しなどを考慮して、具体的なテナント募集計画を策定します。

 

関連記事:テナントの探し方について解説

業務内容②具体的な計画の策定

物件の利用可能面積や、利用することができる施設、アクセスの良し悪しなどを考慮して、具体的なテナント募集計画を策定します。

 

物件に合わせた、効果的なテナント募集戦略を立案し、テナントを確保することが目的です。

業務内容③有力な専門店や企業などへの営業

上記で調査した結果をもとに、物件に合った候補テナントにアプローチし、営業を行います。

 

有力な専門店や企業などに対しては、積極的に営業を行い、契約を締結することを目指しましょう。ここで、テナントにとってメリットとなる条件を提示できるのであれば、契約を促進できます。

業務内容④賃貸契約や開業までのサポート

誘致したい企業や店舗との条件交渉がまとまれば、物件の賃貸契約や開業までのサポートを行います。

 

契約手続きや入居前の調整、開業後のサポートなど、テナントが安心してビジネスを展開できるよう支援していきましょう。

プロパティマネジメントとの違い

「テナントリーシング」と「プロパティマネジメント」は似通った部分も多くありますが、別々の業務です。

 

「テナントリーシング」は、物件のテナント募集に特化した業務である一方、「プロパティマネジメント」は、物件の維持管理や入居者対応、家賃収納など、物件全体の管理に重きを置いた業務です。

 

つまり、プロパティマネジメントは、不動産の管理・運営面からのサポートが主である、ということです。

 

わかりやすくいえば、リーシングが開業まで、プロパティマネジメントが開業後の物件の維持、と考えるといいかもしれません。

賃貸住宅との違い

賃貸住宅仲介との違いにも触れておきましょう。

 

賃貸住宅は、物件に入居者を確実に入れていくのが重要な目的といえます。もちろんリーシングにおいても空室を埋める努力は必要ですが、それに付随して商業用不動産の価値を高めるという視点が必要です。

 

例えば、同じようなテナントばかりの商業施設としての魅力に欠けてしまうため、ただやみくもにテナントを埋めればいいというわけではありません。

 

ときには売上が伸び悩んでいる店舗や企業へ退店の交渉をすることもあり、常に利益を最大化するためにも、新たな店舗を誘致する、探し続ける業務が必要となります。

 

つまり、テナントリーシングでは、「空室を埋めること」、そして「テナントが入る不動産の価値を高めること」、この2点を常に意識することが求められる業務といえます。

テナントリーシングを行うメリット

テナントリーシングを行うメリットは、店舗や事務所の周辺立地や動向を調査することでテナント構成を最適化できるため、収益性を高められる点です。

 

施設の利用者のニーズに合った施設となれば、テナントや利用者の満足度向上にもつながるでしょう。そうなれば、より一層施設が持つ価値は向上し、オーナーだけでなく、利用者の満足度も向上させることができます。

 

施設価値が向上すれば、新規かつ優良のテナントも誘致しやすくなるため、テナントの質も上がり、賃料の未払いやマナー問題などのトラブルを避けやすくなるでしょう。

 

つまり、質のいいテナントを確保できる点もメリットとして考えられるということです。

テナントリーシングの注意点

一方で、テナントリーシングを進めるうえでの注意点についても理解しておきましょう。
ポイントは、会社の選定と、均一化の2つです。

注意点①リーシング会社の選定

テナントリーシングを進めるうえで、テナントリーシング会社の選定は最も重要なポイントです。
理想は、オーナーの要望と出店戦略をマッチングさせるような提案ができる経験と実績が豊富な会社と出会うことといえるでしょう。

 

テナントリーシングは、物件のテナント募集に重要な役割を担います。そのため、テナントリーシングを依頼する場合は、実績が豊富な信頼できる会社を選定することが重要です。
事前に口コミ、評判などを調べ、信頼できるリーシング会社を選ぶようにしましょう。

知名度の高いリーシング会社であれば、当然ながら実績が豊富なケースが多いでしょう。あるいは、知名度がそれほど高くない会社であっても、たとえば特定のジャンルやエリアに強い場合があります。

オーナーの要望が明確となれば、複数のテナントリーシング会社に依頼をかけて、それぞれ比較し、最適な会社を選ぶようにしてみるのもいいでしょう。

注意点②リーシングの均一化

テナントに誘致したい企業のリストに偏りがないかどうかをチェックしましょう。
仮に多くのテナントが入居したとしても、業態などが似た店舗ばかりとなってしまえば、利用者が魅力を感じにくくなるためです。

 

次々に商業施設が出来上がるなかで、「リーシングの均一化」は避けなければなりません。
よくありがちなのが、なかなか借り手がつかないとなると、「どんな店舗でもいいから、とにかくテナントの空きを埋めてくれさえすればいい」と考え、実行してしまうことです。

 

しかし、テナントリーシングのそもそもの目的を改めて考えましょう。それは「物件の収益性を上げること」、そして「物件の不動産価値を高めること」を前提として、客付けを行うことです。

 

そのためにも、目先の利益のことだけを考えるのではなく、長期的な視野に立って、施設を利用する利用者が魅力を感じられるテナントを集めなければなりません。

 

テナントリーシングの均一化を防ぐためには、あえて誘致を断わる、退店してもらうこともある、という決断が求められることもあるということを理解しておきましょう。

賃貸物件にテナントを誘致するには、テナントリーシングを活用しよう

テナントリーシングは、商業施設やオフィスビルなどを所有するオーナーが、テナントの募集、選定、契約を代行するサービスです。

テナントリーシング会社による専門的なサポートを受けることで、迅速かつ効果的なテナント募集が可能となります。

 

物件を運営するうえで欠かせないサービスであり、テナントリーシングを利用することで、物件の空室率を低減し、収益アップにつながることが期待できます。

 

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